「〇〇×写真」vol.3

 

antique×写真|kanako

「〇〇×写真」をテーマに、アーティストと写真の間にある「何か」に触れるエッセイ。

第三回目のコラム投稿は、陰影の中に物語があり、引き込まれてしまう魅力を持つ作品を撮影しているkanakoさん。

自身の作品にも登場するantiqueと写真との関係を語ってくださいます。



◎はじめに

私は数年前からantiqueの小物など使ってポートレートを撮影しています。

antiqueと写真を掛け合わせたものについて書いていきたいと思います。

 

◎いつから antique が好きなのか?

Antiqueとは100 年以上経っているもののことを言います。

もともと、古いものが好きだったのですが、カメラをはじめ洋書を買ったのが始まりでした。

それ以降、オークションや蚤の市、アンティークショップなどで掘り出し物を見つけるようになりました。



1 番好きなものはガラス類。

フォルムが可愛く、現代では似たようなものは少ないかと思います。

人と被らないところがまたいいところです。

ガラス類は使い勝手が良く、花を挿したり、影を出すのに使ったり、前ボケにしたりしています。
 

グラスの前ボケ

 

◎Antique を使った作品撮り

『フレンチ・チャーチチェア』


フランスの教会の椅子で、長時間座っていても疲れないように作られています。

チャーチチェアの材質はエルム材とビーチ材が多く、エルム材で作られたチャーチチェアの方が比較的古いアンティークチェアと言われています。

この椅子を草原に持っていき、バレエをしている様子を撮影しました。

教会の椅子、草原でバレエどれもミスマッチではありますが、普段目にすることが無いような作品を撮ることができました。

 

『オクトゴナルのカッティングボード』


イギリスアンティークのカッティングボードです。

模様も凝ったデザインでお気に入りです。

この日は、フルーツとともに撮影しました。

存在感があり、置くもの全てを引き立たせてくれます。

いつか生活の一部でパンを焼いてこのカッティングボードで切るような生活をするのが夢でもあります。

また、チラッっと見える洋書。

時の流れを感じさせてくれる紙質がいい味を出しています。

 

『ナイトドレス』


1900 年代のフランスアンティークナイトドレスです。

このドレスは白の物がほとんどですが、最近は黒染めしているものも中にはあります。

今回は、モデルさんの雰囲気に合わせてこの衣装を選びました。

コットン素材で、着やすいアイテム。

大きくて丸い襟元が特に気に入っています。

このナイトドレスは、衣装用で購入したのですが、可愛すぎてブラウスの方を自分用で購入し大事に着ています。

シミなども愛おしくなる、そして年を重ねても着たいと思えるもの。

この日は、森の中でたんぽぽと一緒に撮影しました。

シンプルすぎず、アクセントの効いた作品ができました。

 

◎Antique と Wedding

 

アンティークのスタジオで撮影したwedding photoです。

白をベースとして、ひとつひとつの小物や家具でできあがる世界観がとても好きです。

また、お伽話のようで自分たちだけが主役で、誰とも被らない写真。

アンティークに囲まれながらの撮影はいつも以上にワクワクが止まらず、アイディアがどんどん溢れてきます。

 

◎さいごに

アンティークの何がいいのか?

それは、状態など同じものが 1 つとしてないことだと思います。

また、誰かに大事にされ続けてきたものが自分にまわってきたこと。

物の歴史を知ることで、さらに大切にしたいと思えるもの。

私は、作品撮りやweddingでアンティークの小物や空間を使って撮影しています。

量産されたものやアンティーク風では味わうことのできない雰囲気を、ひとつひとつの物たちが持っています。

写真と掛け合わせることで想像を超え、真似できないものを創ることができると思っています。

これからも自分が好きなものを大切にしながら作品に落とし込んでいけたらと思います。

 



◎9月10月オンライン教室のお知らせ

「自分らしい世界を生み出すには」

2024年9月4日(水)21:00-23:00
2024年10月16日(水)21:00-23:00

どのように物語が生まれ、どこからインスピレーションを得ているのか。
上記2日間の日程でオンライン教室を開催いたします。

初日はインプット中心の時間で、2日目は講評が中心の時間となります。

詳細とお申し込みはこちらから。